APIクライアント

APIクライアントを使うことで、提供者と利用者がAPIを簡単に探索・テスト・デバッグできるようになる仕組みをご紹介します。

工具が並んだペグボードを見ているPostmanaut。イラスト。

APIクライアントとは?

APIクライアントは、APIの探索・テスト・デバッグを効率化するための開発ツールです。従来、APIを呼び出すには多くの専門知識が必要でした。たとえば、APIの利用者は、プログラミング言語を理解しているだけでなく、APIのフレームワークやプロトコルを把握し、レスポンスを解析できなければなりません。このような時間のかかるプロセスは、APIの開発や統合の妨げとなるだけでなく、技術的な知識が少ない人々がAPIに関わることを難しくしていました。APIクライアントはこうした複雑さを抽象化し、API関連業務への参入障壁を下げるとともに、開発者が大局的な目標に集中できるよう支援します。

ここでは、APIクライアントがAPIファーストなチームにとって、品質を維持しながら迅速に反復開発を行うためにどのように役立つかを紹介します。また、提供者やコンシューマーがクライアント API ワークフローを改善する一般的な方法や、 Postmanの API クライアントがAPIを扱うための業界標準ツールである特徴についても検討します。

なぜAPIクライアントがAPIファースト戦略に不可欠なのか

Postmanの『State of the API Report』によるAPIファーストを掲げる組織が増加しています。これらの組織は、社内外のサービスをAPI経由で連携しながらアプリケーションを構築しており、APIの品質・使いやすさ・パフォーマンスが、これまで以上に重要になっています。この傾向は、アジャイル開発手法の普及とも重なっています。アジャイル開発では、チームが1日に複数回、小規模なコード変更をデプロイすることも一般的で、短いサイクルで素早くソフトウェアを更新していくことが重視されます。APIクライアントを使えば、こうしたアジャイルな開発ペースに対応しながら、高品質なAPIの開発・利用が可能になります。さらに、APIクライアントはビジネスアナリストやプロダクトマネージャーのような非開発者でも扱いやすいため、エンジニア以外のメンバーもAPI関連の作業に参加しやすくなります。

また、APIファースト戦略が広まるにつれて、WebSocket、gRPC、GraphQLといった新しいAPIアーキテクチャやプロトコルの採用も進んでいます。これらの技術は、双方向のデータストリーミングや複数のデータソースとの統合など、現代的なユースケースに対応していますが、使いこなすには一定の学習コストがかかるため、経験豊富な開発者にとっても負担になることがあります。APIクライアントを使えば、どの開発者でも新しいフレームワークやプロトコルにすばやく慣れることができ、特にオンボーディング時にはその効果が大きくなります。


API提供者のライフサイクルの各ステージ。イラスト。

APIクライアントの主なユースケースとは?

APIクライアントは、提供者と利用者の双方にとって、APIライフサイクル全体にわたる重要なワークフローを効率化するツールです。主なユースケースは以下のとおりです。

探索

利用者がサードパーティAPIを自社サービスに組み込む前に、その機能が要件を満たすかどうかを評価する必要があります。特にドキュメントが最新でない場合、この評価は難しくなります。APIクライアントを使えば、開発者は多くの時間や労力をかけることなく、新しいAPIを試すことが可能です。たとえば、複雑なAPIリクエストを数秒で定義・実行し、そのレスポンスを同じ画面で確認できます。パラメーター、ヘッダー、リクエストボディを柔軟に調整し、異なる入力による挙動を把握することも容易です。もしそのAPIが要件に合わなければ、パブリックAPIカタログに戻って探索を再開できます。

詳細は、「PostmanパブリックAPIネットワークを活用したコラボレーション方法」をご参照ください。

テスト

テストはAPIライフサイクルにおいて不可欠なプロセスであり、提供者が意図した機能を継続的に検証し、問題が発生した際には直ぐに対処することを可能にします。APIクライアントがなければ、テストは煩雑で手間がかかり、ヒューマンエラーのリスクも高まります。たとえば、あるリクエストが前のリクエストのデータを必要とする場合、こうした複雑なワークフローは高度なツールがなければテストが困難です。APIクライアントを使えば、リクエスト間のデータの受け渡しや、テスト環境ごとの変数保存も簡単です。作成したリクエストは保存して再利用できるため、自動テスト戦略の土台を築くことができます。

効率的でコラボレーションしやすい自動APIテストを構築する方法については、Postman Best PracticesのAPIテスト自動化ガイドをご覧ください。

デバッグ

APIテストによって開発段階で多くの問題を防げますが、本番環境でのトラブルを完全に避けることはできません。SLAの維持やユーザー離れを防ぐには、素早い対応が不可欠です。しかし、デバッグ環境で本番環境の条件を再現するのは容易ではありません。APIクライアントを使えば、インシデント対応チームが異なる環境間のレスポンスを比較でき、問題の範囲をより正確に把握できます。また、組み込みの可視化ツールを使って複雑なレスポンスボディを解析できるため、対応速度が向上し、平均解決時間(MTTR)の短縮にもつながります。


Postmanaut。イラスト。

なぜPostmanがAPIクライアントとして選ばれるのか?

PostmanのAPIクライアントは、RESTGraphQLSOAPWebSocketgRPCに対応しており、Postman APIプラットフォーム全体と緊密に統合されています。API関連作業に不可欠な豊富な機能を備えており、今日の業界標準ツールとして広く採用されています。Postmanを使えば、以下のようなことが可能です。

  • 複雑なリクエストの定義し送信する:コマンドライン上でAPIコールを手動で呼び出す代わりに、Postmanコレクションを使えば、複雑なリクエストも直感的に定義・実行・保存可能できます。このコレクションは、エンコードされたデータ、Rawデータ、マルチパートのデータ(boundaryで区切られた部分)、バイナリデータを含むリクエストボディに対応しており、OpenAPI、RAML、WADLなどの幅広いAPIスキーマ形式からワンクリックで生成できます。
  • レスポンスを検査し可視化する:Postmanを使うと、ステータスコード、レスポンスタイム、レスポンスサイズを一目で確認でき、自動言語検出、リンクと構文のハイライト、検索、テキスト整形を使って、より深いレベルでレスポンスボディを検査できます。さらに、Posmanビジュアライザーを使って、解析したレスポンスデータを可視化し、他のユーザーとスムーズに共有できます。
  • 変数を作成しスコープを管理する:Postmanでは、変数ワークスペース、コレクション、環境レベルで使用できます。こうした変数は、任意のリクエストのURL、ヘッダー、ボディで使用でき、手動入力によるヒューマエラーを防ぎ、異なる環境でリクエストを簡単に実行できます。
  • 認証を管理する:Postmanでは、OAuth 2.0、AWS Signature、Hawk Authenticationなど、いくつかの認証プロトコルを組み込みでサポートしており、ユーザーが迅速かつ安全にAPIにアクセスできます。また、サーバーから返されたクッキーをキャプチャし、後続のリクエストで再利用することができます。さらに、ドメインごとにSSL証明書を表示・設定することができます。
  • 手動またはスケジュールに基づきAPIをテストする:Postmanのコレクションランナーを使えば、複数のリクエストを連携させて、APIライフサイクルのどの段階でも複雑なワークフローをテストできます。テストは、手動実行はもちろん、スケジュールによる自動実行やCI/CDワークフローの一部として組み込むことも可能です。
  • APIガバナンスを管理する:Postmanワークスペースでは、スキーマ準拠、命名規則、セキュリティ要件などをチェックするAPIガバナンスルールセットを適用できます。これにより、開発スピードを損なうことなく、軽量で実践的なガバナンスワークフローを構築できます。ルールセットはワークスペースまたはワークスペースグループ単位で適用でき、必要なチェックを効率よく実施できます。また、Spec Hubに仕様を一元管理し、Postman APIを利用してCI/CDパイプラインへ統合することも可能です。
  • 問題のあるAPIエンドポイントを特定して修正するPostman Insightsは、すべてのAPIエンドポイントにおけるエラー、レイテンシ、トラフィック量を自動で可視化します。インストール後わずか15分ほどで本番環境のAPIの状況やボトルネックを把握できるため、問題を迅速にデバッグできます。
  • エンタープライズレベルの保護でAPIワークフローを保護する:Postmanは、セキュリティ・バイ・デザインの考え方に基づき、クラウド同期を行わず認証情報をローカルに保存するLocal Vault、ワークスペースやリポジトリ全体を対象とした自動シークレットスキャン、安全な画面共有を実現する変数マスキング、コレクション公開前に機密データを検出・マスキングする事前スキャンなど、充実した保護機能を備えています。
  • APIをチームで共同開発する:Postmanワークスペースは、組織のニーズに合わせた柔軟なコラボレーションを実現します。開発者は共有ワークスペースで仕様、コレクション、テストを共同作成できるほか、Discoveryワークスペースでは再利用可能なAPIを公開し、他チームがフォークして利用できます。大規模なエンタープライズ環境では、プライベートAPIネットワークがAPIの検索ハブとガバナンスツールの両方として機能し、数百のチーム間で重複開発を防ぎながら組織全体のコラボレーションを促進します。

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APIのアイコンの周りで踊るPostmanaut。イラスト。