API統合

API統合によって、仕事、旅行、決済、コミュニケーションなど、私たちの日常を支える仕組みを学びましょう。

API統合に取り組むPostmanaut。イラスト。

API統合とは?

API統合とは、APIを利用して2つ以上のソフトウェアシステムを接続し、データをシームレスにやり取りできるようにするプロセスです。

APIは、異なるソフトウェアコンポーネント同士の通信を可能にするコードベースの仕組みです。APIを現代のアプリケーションを構成する部品と考えるなら、API統合はそれらを結び付けるモルタルのような役割を果たします。チームは、スケーラビリティの高いマイクロサービスメッシュを構築するためにプライベートAPIを統合したり、パブリックAPIを統合してサードパーティの機能をアプリケーションに組み込んだりできます。API単体でも強力ですが、業務上重要なワークフローの自動化をはじめとする高度なユースケースを実現できるのはAPI統合です。

ここではまず、APIファーストの世界においてAPI統合が果たす役割を見ていきます。続いて、API統合の主なメリットや仕組み、代表的な活用例を紹介します。また、APIプラットフォームを活用して、プライベートAPIやパブリックAPIを簡単に統合する方法についても説明します。

APIファーストの世界でAPI統合が重要な理由

現在、APIファーストの開発モデルを採用するチームが増えています。APIファーストでは、アプリケーションをAPI経由で提供される内部サービスと外部サービスの集合体として構築します。こうしたアプローチでは、APIの設計と開発を優先することで、高いパフォーマンス、セキュリティ、スケーラビリティを備えたアプリケーションを実現できます。しかし、それを単一のAPIだけで実現することはできません。優れたデジタル体験を提供するには、複数のAPIを統合する必要があります。


巨大なチェックリストを確認するPostmanaut。イラスト。

API統合のメリット

ほぼすべてのアプリケーションでAPI統合が活用されており、主なメリットとして次のようなものがあります。

  • シームレスなデータ連携:APIごとに、アーキテクチャ、プロトコル、プログラミング言語、認証方式、データ構造、ストレージ方式は異なります。しかし、APIが本来の価値を発揮するには、相互に連携できる必要があります。API統合はこうした実装上の違いをプログラムで吸収し、人の手を介さずにAPI間でデータをスムーズにやり取りできるようにします。
  • 運用効率の向上:API統合は、時間のかかる作業の自動化や、業務上重要なワークフローの効率化によく利用されます。また、複数のソースに分散したデータを集約できるため、分析もしやすくなります。これらのメリットにより、時間やコストを削減しながら生産性を高め、人為的なミスのリスクを減らせます。
  • ユーザー体験の向上:サードパーティのAPIをアプリケーションに統合することで、機能を一から開発することなく機能を拡張できます。たとえば、eコマースアプリケーションの開発チームは、StripeやSquareのような決済処理APIを統合することが一般的です。他社が提供するパブリックAPIを活用することで、チームはスピーディーかつ自信を持ってイノベーションを進めながら、より優れたユーザー体験を提供できます。

API統合の仕組み

APIを統合する方法は数多くあるため、開発者は実装計画を立てて進める前に、自社の要件や選択肢を十分に検討することが重要です。代表的な方法のひとつが、統合対象のAPI向けに提供されているライブラリやSDK(ソフトウェア開発キット)を利用することです。SDKには、認証、リクエスト処理、レスポンス解析に必要な再利用可能なコードがあらかじめ用意されているため、統合プロセスを簡素化できます。

開発者は統合を促進するためにカスタムコードを書くこともできます。この方法は柔軟性が高い反面、時間がかかり、ミスも起こりやすい。

Postman Templates. Icon.

Get started quicker with the API integration testing basics template

Get Started Now

API統合のベストプラクティス

APIドキュメントを十分に確認する
作業を始める前に、必ずAPIドキュメントを確認しましょう。APIの利用方法だけでなく、利用制限や統合時の注意点など、重要な情報を把握できます。

信頼性の高いAPIを選ぶ
十分にテストされ、信頼できる提供元のAPIを選びましょう。信頼性の高いAPIはダウンタイムのリスクを低減し、アプリケーションの安定稼働とユーザー体験の向上につながります。

セキュリティ機能を確認する
統合するAPIが十分なセキュリティ対策を備えていることを確認しましょう。強固なデータ保護機能や暗号化を提供するAPIを選ぶことで、潜在的なセキュリティ脅威からデータを保護できます。

拡張性を確保する
ビジネスの成長に合わせて拡張できるAPIを選びましょう。適切なAPIは、企業の成長に伴うトラフィックやユーザー数の増加にも対応できる必要があります。


フードデリバリーサービスにおけるAPI統合の構成図。イラスト。

API統合の活用例

API統合は、仕事、旅行、決済、コミュニケーションなど、私たちの日常を支えるさまざまなデジタル体験の基盤となっています。その仕組みを理解するために、代表的な例を見てみましょう。

ソーシャルメディア統合
多くのアプリケーションは、Facebook、Twitter、LinkedInなどのソーシャルメディアプラットフォームと統合し、コンテンツの共有、ターゲットユーザーへの訴求、ブランドエンゲージメントの把握に活用しています。たとえばデジタルメディア企業では、ユーザーが記事をTwitterLinkedInで簡単に共有できるようにすることで、コンテンツの露出拡大につなげています。

決済統合
決済統合により、ECサイトはStripeSquareなどのサードパーティプラットフォームを利用して、安全に顧客の支払いを処理できます。こうしたAPI統合は、クレジットカード番号などの機密性の高い顧客データを安全にやり取りできる点で特に重要です。また、規制やコンプライアンス要件への対応を容易にしながら、ゼロから仕組みを構築する手間を省けます。

位置情報統合
配車アプリや配送サービスのようにリアルタイムの追跡が必要なアプリケーションでは、位置情報APIや地図APIとの統合が広く利用されています。たとえばフードデリバリープラットフォームでは、Googleマップと統合することで、ユーザーが注文状況をリアルタイムで確認できるようにしています。こうした統合によって、チームは重要な機能を提供しながら、新機能の開発にも注力できます。

メッセージング統合
SlackTwilioなどのメッセージング・コミュニケーションプラットフォームとの統合は、チームのコラボレーションを促進し、重要なワークフローの効率化に役立ちます。たとえば開発チームは、APMツールとSlackを統合することで、レイテンシーの増加など懸念される問題について自動通知を受け取れます。

クラウドサービス統合
Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などのクラウドサービスプロバイダーは、APIを活用してサービス同士を統合し、高いスケーラビリティを備えたクラウドベースのシステムを構築できるようにしています。たとえばAmazon Simple Storage Service(S3)は、ファイルの保存や管理を行うためのREST APIやSDKを提供しています。

エンタープライズソフトウェアの統合
ERP(Enterprise Resource Planning)、CRM(Customer Relationship Management)、人事管理システムなど、多くのエンタープライズソフトウェアには、業務プロセスの自動化を支援するAPIが用意されています。たとえばCRMとERPを統合することで、顧客の注文状況や在庫レベルを可視化しながら、受注処理や決済処理を効率化できます。


業界別のAPI統合の活用事例

小売業(リテール)
API統合は、オンラインストアと実店舗のシステムを接続することで、業務を円滑に運営できるようにします。在庫情報のリアルタイム更新、顧客データの管理、決済処理などを効率的に行えます。

医療・ヘルスケア
API統合により、患者の診療記録、検査結果、その他の重要な医療情報を簡単に共有できます。医療提供者間のコミュニケーションが改善されることで、より質の高い医療サービスと効率的なワークフローの実現につながります。また、遠隔医療、個別化医療、データ分析を可能にし、患者の治療成果向上にもつながります。

金融業
API統合は、銀行システムや決済システムなどのさまざまなサービスを接続します。これにより、安全な取引の実現、金融業務の自動化、口座情報や市場動向のリアルタイムデータの取得が可能となり、金融管理の効率化につながります。

旅行・ホスピタリティ業界
API統合は、予約システム、フライト情報、ホテル管理システムなどを連携させます。これにより、旅行の予約やリアルタイム情報の確認に加え、レンタカーなど関連サービスとの連携も1か所で行えるようになります。

教育
API統合は、学習プラットフォームと学生記録システム、オンライン学習リソースを接続します。これにより、学校はデータ管理を効率化し、一人ひとりに合わせた学習体験を提供するとともに、学習進捗を把握しやすくなります。

製造業
API統合は、生産管理システムと在庫管理・サプライチェーンプラットフォームを接続します。これにより、生産状況の更新から在庫情報まであらゆるデータを同期しながら、製造プロセスを円滑に運用できます。


Postman Flowsの動作イメージ。アニメーションGIF。

PostmanはAPI統合をどのように支援しますか?

Postman APIプラットフォームには、チームがAPI統合の可能性を最大限に引き出すための強力な機能が揃っています。Postmanを使えば、次のようなことが可能になります。

  • パブリックAPIを見つけて統合する世界最大級のパブリックAPIカタログであるPostmanのパブリックAPIネットワークを利用すれば、必要なAPIを簡単に見つけて統合できます。特定のAPIを探している場合は検索機能を利用でき、アイデアを探したい場合はカテゴリ別に閲覧することも可能です。また、公開ドキュメントにもアクセスできるため、統合作業を効率化し、Time To First Call(初回APIコールまでにかかる時間)の短縮にも役立ちます。
  • 社内APIの統合を効率化する:PostmanのプライベートAPIネットワークを利用すると、組織内で利用されているすべてのAPIを簡単に確認できます。APIの可視性が高まることでコラボレーションが促進され、重複した機能を新たに開発する代わりに、他チームのAPIを活用して統合しやすくなります。
  • コードを書かずに複数のAPIを接続する:Postman Flowsを使えば、技術レベルを問わず、視覚的なローコードインターフェース上でAPIを統合し、複雑なワークフローを構築できます。たとえば、ChartHopからAirtableへ従業員情報をエクスポートするFlowsやDownDetectorを監視してSlackにアラートを送信するFlowsなどのサンプルから簡単に始められます。
  • APIワークフローにサードパーティツールを統合する:Postmanは、クラウドプロバイダー、CI/CDプラットフォーム、ソースコード管理ツールとの組み込み統合機能を提供しています。これにより、APIライフサイクル全体を通じて既存のワークフローを効率化し、さらに強化できます。

Postmanを始めよう

APIのアイコンの周りで踊るPostmanaut。イラスト。